投稿者:おふう 2000/08/27 (日) 23:37:59 ▼ ◇ [mirai]【栞】「ただ歩くだけでも楽しいです」
そう言って微笑んだ栞の言葉に心から頷く。
やがて、その視界の先に休日の校舎があった。
【祐一】「さすがに静かだな…」
午前中で生徒は帰らされたので、校舎の中は無人のはずだ。
【栞】「……」
【祐一】「どうする栞? まだ時間はあるけど…」
【栞】「…そうですね」
何が見えるのか、校舎の方をじっと眺めているようだった。
【祐一】「どっか、行きたい場所とかあるか?」
【栞】「……」
【祐一】「俺の知ってる場所で良ければ、今から連れていってやるぞ」
【栞】「…行きたい場所」
【祐一】「……」
【栞】「……学校」
【祐一】「学校がどうかしたのか?」
【栞】「…学校に、行きたいです」
とつとつと言葉を呟く。
【祐一】「……」
【栞】「……」
校舎から視線を逸らすこともなく、どこか泣きそうな表情だった…。
【栞】「……」
時折、笑顔の合間に栞が見せる表情…。
そして、そんな表情を覗かせたときの、栞の次の台詞はいつも一緒だった。
【栞】「…冗談です」
【祐一】「……」
見せたくない表情を笑顔で覆い隠すように…。
【栞】「…祐一さん?」
【祐一】「学校行こうか、今から」