投稿者:おふう 2000/08/27 (日) 23:49:39 ▼ ◇ [mirai]【栞】「…はい?」
【祐一】「…最初のページの絵って、どこの風景なんだ?」
【栞】「最初…」
【栞】「祐一さん、何言ってるんですか、昨日の公園ですよ」
【祐一】「昨日の公園…を顕微鏡で見たところとか」
【栞】「普通に見たところです…」
【祐一】「いや、あまりにもなんだか分からなかったから…」
【栞】「ひどいですー。祐一さんっ」
【祐一】「いや、俺は正直に言っただけだけど…」
【栞】「もっとひどいです…」
頬を膨らませてぷいっと横を向く。
【祐一】「でも、俺が見たのがたまたま失敗だっただけかも…」
【栞】「…今日持って来たのは自信作です」
フォローは逆効果だった。
【栞】「…はぁ…やっぱり私、絵は向いてないのかも」
【祐一】「好きでやってるんだろ?」
【栞】「そうですけど…」
【祐一】「だったら、別にヘタでも異次元でもいいと俺は思うけど」
【栞】「…祐一さん、それって励ましてるんですか? それとも、とどめですか?」
【祐一】「一応励ましてるつもりなんだけど」
【栞】「……」
【栞】「…あはは、そうですね」
くすっと笑って、表情が綻ぶ。
【栞】「趣味ですから、ヘタでも気にしません」
【祐一】「ずっと描いてたら、いつかは上手くなるって」
【栞】「…そう…ですね」
【栞】「今日はスケッチブックを持ってきました」
【祐一】「スケッチブック?」
【栞】「それと、道具も一式持ってきました」
【祐一】「ああ、確か俺の似顔絵を描いてくれるんだよな?」
【栞】「ホントに、あんまり上手くないですけど…」
【栞】「私、まだ修行中ですから」
【祐一】「だったら、早く食ってしまわないとな」
【栞】「そうですね…。もう、あんまり時間ないですし」
【栞】「ごちそうさまでした」
【祐一】「こめかみとか痛くないか?」
【栞】「どうしてですか?」
【祐一】「いや、普通はこの時期にアイスクリームを食べたら痛くなるものだ」
【栞】「それなら、私はきっと普通ではないんですね」
【祐一】「いや、そう言う意味でもないんだけど…」
【栞】「冗談ですよ…」