>  2000/09/01 (金) 05:56:57      [mirai]
> > で?これからどうするつもりよ
> 朝刊ネタ拾ってこいゃヽ(`Д´)ノグオラ

そこで私は朝刊ネタを拾いに公園広場にまで足を運んだ。
未だ寝静まった町並みにかかる朝早くの澄み切った空気を胸一杯に吸い込みながら、
今日はどのような新聞がどのような状態でどこら辺に見つかるだろうかと私は考えた。
まずは妥当にゴミ箱周辺と行きたいところだが、それは私の騎士道精神に反するものだ。
騎士は食わねど高楊枝と昔から言うではないか。棋士と言えば、昨日の昼に再放送していた
古畑任三郎には田中美佐子が客演していたが、あの容貌の若々しさから言って田中美佐子が
既に四十間近だとは思えなかった。よく見れば確かに年齢相応の老いが徐々に皮膚を
やつれさせているのも分かるのだが、その微妙な老いが若さと奇妙に溶け合い、ある種の
妖艶さとして浮かび上がっているのも事実だ。そこにこそ田中美佐子の魅力があるのだろうか。

そのようなことを考えながら、私は近所の公園に到着した。公園内はさすがに朝も早いからだろう、
早朝ショギングと犬の散歩に出ている少数の人間がまばらに広い公園内に散らばっているだけだ。
私は困惑を覚えた。確かにこれほど早くては居場所のない夏休み明けの食卓から逃げるように
公園内の付設ベンチに居座り、新聞を広げながら、コンビニで一緒に買ったサンドウイッチでも
食べ終え、その役目を終えた新聞を、これから出勤しなければならない会社に、一般企業と比較して
見ればさすがに少人数であるが故の共同体意識が平均以上に強く、故に徒党的な垣根が作られやすく、
小中学生の陰湿なイジメの力学と通ずるような人間関係が厳として存在してしまったような、
中の下程度の下請け会社に今日も足を運ぶことへの侘びしさと憂鬱から、かなり自棄的に、
苛立たしげに投げ捨てられた皺まみれの、いつも目にするような新聞があるのだろうか。
俺は辺りを注意深く見回してから、ゆっくりとまずはそのゴミ箱の方へと足を向けた。

参考:2000/09/01(金)05時36分07秒