投稿者:   2000/09/05 (火) 01:25:53      [mirai]
「思い起こせば夕べも酒を買ってこいと言いながら、金をよこす素振りは見せなかった。
最初に買ってきた分の酒やつまみも、確証は無いが殆ど俺が出したかもしれない。
ちなみに特待生というのは、年間通じて一番成績の良い生徒一人がその年の学費を免除される制度である。
俺はフルハタさんのクールな姿を思い出しながら、あの人が学年で一番頭が良いという事実と照らし合わせた。
「飯は毎回意地汚なく大食いするし、他人に届いた荷物を勝手に開けて中身を物色してたかるし、
洗剤が勿体無いからって洗濯は真水でするんだよ。信じらんないよ、あたしゃ」
「そういや、フルハタさんは一段と薄汚ない格好してますよね」
「フルハタの場合は部屋よりも何よりも本人が臭うんだよ。石鹸もシャンプーもやはり勿体無いって言ってさ。
酢臭いったらありゃしない。夏場は地獄さ。見兼ねて最近はカワサキが色々面倒見てやってるみたいだけどね。
そういや、去年の暮れも帰省する金が無いからって下宿で正月迎えるみたいな事ほざいてさ、冗談じゃないよ、
アタシも正月くらいはあいつらから解放されてゆっくり過ごしたいじゃないさ。断わったんだよ、
大人しく田舎に帰りなって。そしたらあいつ、どうしたと思う?」

「どうした 


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