投稿者:   2000/09/14 (木) 00:54:57      [mirai]
   『よ、名雪っ!』
      『祐一! ひさしぶりっ!』

      雪のつもった
      まっしろなまち。

      さらさらこな雪
      駅の広場。

      ちょっとだけ
      照れくさそうな
      にっこりえがお。

      『元気だったか?』
      『うんっ』

      ぴょこん。

      むねの中の
      ちいさなうさぎが
      楽しそうに
      飛びはねた…。

      うれしいのかな?
      うれしいんだよ。

      いつもと同じ
      ゆきげしき。

      変わらないけしき。
      なつかしいえがお。

      『祐一も…元気そうだねっ』

      いつも見なれた
      場所なのに

      なぜだか今日は
      ちょっとだけ
      すてきなまち。

      うれしいのかな?
      うれしいんだよ。

      半年ぶりの
      ぶっきらぼうなふりした
      やさしい目。

      『ああ、俺は元気だけがとりえだからな』
      『ふーん、そうなんだ~』

      なつかしい声。

      ずっと昔に
      いっしょに作った
      雪だるま。

      ぼかっ!

      『い、いったぁい! 祐一、ひどいよ~!』
      『そういうときは、否定するもんだっ』

      うれしいのかな?
      うれしいんだよ。

      でもね……

      それは誰にも
      ないしょ、なんだよ……。

        ♪   ♪   ♪   ♪   ♪