攻略できるヒロインは3人で、この手のゲームでは少ない印象を受けま
したが、3人攻略後に見る出来る『AIR』の世界設定そのものを描いた
「SUMMER」シナリオ、そしてメインヒロイン観鈴のシナリオを第3の視
点(?)から描いた「AIR」シナリオが見れるようになります。また個々の
シナリオ自体が非常に長くボリューム的にはかなりの量でした。
内容は“夏を舞台とした悲しくも美しい物語”で、ここ一番の
場面ではかなり涙を誘います。設定自体もかなり練り込まれていて、そ
の奥深さにはため息が出るばかりでした。
けれど、プレイヤー(私自身だけかもしれませんが)をゲームに引
き付けておく魅力がこの作品にはまるでなく、とてものめり込んで一
気にプレイできるものではありません。テンポの悪い起伏のない日常を
だらだらと見せられてもこちらは飽きるばかりです。このテンポの悪さは
前作『Kanon』でも感じたことですが、『Kanon』は1シナリオを一気にプ
レイできたのに対して、『Air』は1シナリオを幾度も中断していたので、よ
り酷くなっていたと思います。