異相の穢土(えど)など何処かで歪(いびつ)に組み上がっているものなのだ。構 造的に欠陥のあるものは外的作用を及ぼさずとも自重で潰れるものである。僅かに傾 いたその方向に、指先で軽く押してやれば好い。 それだけで好いのだ。 たったそれだけで穢土はいずれ一掃され、浄土が到来する。 簡単なことだ。 悠寛(ゆっくり)と、時をかけて------。 真綿で首を締めるが如く。 じわじわと。 少しずつ----少しずつ。 目に見えぬ程少しずつ。 緩緩(ゆるゆる)と狂え。 そしてまやかしの世界は崩れ去る。 気付いた時にはもう遅い。止めることなど出来はしないのだ。舞え歌え、愚かなる 異形の民よ。 浄土の到来を祝う宴はさぞや愉しいことだろう。