夢。 夢を見ている。 毎日見る夢。 終わりのない夢。 赤い雪。 流れる夕焼け。 赤く染まった世界。 誰かの泣き声。 子供の泣き声。 夕焼け空を覆うように、小さな子供が泣いていた。 どうすることもできずに、 ただ夕焼けに染まるその子の顔をみていることしかできなかった。 だから、せめて…。 流れる涙を拭いたかった。 だけど、手は動かなくて…。 頬を伝う涙は雪に吸い込まれて…。 見ていることしかできなくて…。 悔しくて…。 悲しくて…。 大丈夫だから…。 だから、泣かないで…。 言葉にならない声。 届かない声。 「約束だから…」 それは、誰の言葉だっただろう…。 夢が、別の色にそまっていく…。 「うん…約束、だよ」