「お待たせ、浩平君」
「ほら見て。おじさんにひとつおまけして貰ったよ」
「新発売のヨーグルト味なんだって」
「ね。これ私が食べてもいいのかな？」
「はい、これは浩平君の分だよ」

「あ・・・えと。どっちがバニラなのかな・・・？」
「あはは、分からないよ・・・」
「・・・はい、浩平君が選んでね」
「どうしたの、浩平君？」
「早くとらないと、私が全部たべちゃうよ？」

「・・・そうだ。ねえ、また二人でどこかに行こうよ」
「浩平君、もうすぐ春休みだよね？」
「私ね、行ってみたいところがあるんだよ」
「いっぱいあるんだよ」
「本当は目が見えるようになったらって思ってたけど、浩平君と一緒なら大丈夫だよね」

「１日で全部は無理かもしれないけど・・・」
「その時は次の日も出かけようね」
「次の日も、また次の日も・・・」
「だって、ずっと一緒に居てくれるって浩平君約束してくれたものね」

「・・・・・・」

「・・・どうしたの、浩平君？」
「早く食べないと、アイスクリーム溶けちゃうよ？」
「・・・どうしたの・・・？」
「・・・どうして・・・何も話してくれないの・・・・・・」
「浩平君・・・」

「冗談・・・だよね・・・？」