投稿者: 2000/10/09 (月) 01:26:12 ▼ ◇ [mirai]「どのようなパソコンをお探しですか?」
「あまりスペースを取りたくないのでノートパソコンがいいかなーって思っているんですよ。」
「なるほど。それではどのようにパソコンを使う予定でしょうか。」
「インターネットをしたいんですよ。」
「さようでございますか。それでは失礼ですが、ご予算はいかほどお考えでしょうか。」
e-noteなんかがまだ出てない頃ですからノートパソコンって結構高いものです。とりあえず二十万円。型落ちならもうちょっと安いものがあった
りします。さらに、無線でやりたいとかインターネットはどのノートパソコンでもできますから、ここは自分が何を売りたいかで何を勧めるかが
決まってしまいます。後はお客さんを誘導するだけ。
ちなみにお客さんは二人で、一人は既にパソコンを持っている様子。
「それくらいですそうですね。こちらなどはいかがでしょう。ちょっと予算の方がオーバーしてしまっていますが、これくらいの性能があれば快適にインターネットができると思います。」
「でも良すぎじゃない?」
「うん。でもちょっと厳しいかな。」
「多少厳しくてもパソコンの買い替え、特にノートですと増設などもできませんから多少無理してでもこれくらいの方がよろしいかと思います。」
「他のだとどのようなものがありますか?」
そういうわけでちょっと予算オーバーのパソコンはだめとなりました。しかし、ここからが本番。売りたいのは展示処分品の型落ちパソコンです。
「それでしたら、こちらの方はいかがでしょうか?予算内に収まりますよ。」
「そうですか。でもちょっと古そうなんですけど。」
「お客様のご予算ですとこれぐらいでないとちょっと厳しいんですよ。しかし、安心してください。これでもインターネットをするのであれば充分の性能がありますよ。」
「それじゃあこっちのはどうですか。値段も同じだし、こっちの方が少し性能が良いように見えるんですけど。」
そのパソコンも同じように型落ちパソコン。しかし私の売りたい、もとい売らないといけないパソコンはこれではありません。
「たしかにこちらの方が若干性能が良いですね。しかし、これくらいの差でしたら数字で性能の差が出ていても体感はできないんですよ。」
「そうなんですか。」
「ええ。それにインターネットをするためのソフトなのですが、こちらでしたら最低限のものしか入っていません。女性に人気があると言われているポストペットとかはありませんから、もし
お使いになられるなら別途購入する必要がありますね。」
「ポストペットですか?」
「ピンクのくまが手紙を送ってくれるCMなどでおなじみですね。」
「あ、あれなんですか。うーん、どうしよう。」
「自分で使うんやから自分で決めえな。あんたやったらどっちでも同じやと思うよ。」
「うーん。」
「若干の性能差はありますが、体感できるものではありません。ですので、インターネットをもうちょっと楽しんでみようというのでしたらこちらのポストペットが入って
いるパソコンの方がよろしいと思います。」
「じゃあこっちのもらえますか。」
「ありがとうざいます。」
「これ展示品やけど、安くなるんですか?」
「展示品ということですので、このお値段でやらさしていただいております。」
「ああ、そうなんですか。」
「すみませんね。」
そして店員さんとバトンタッチ。
「こちらのお客さんにこれお願いします。」
「どこまで話した。」
「現金で値切りはなし。」
「分かった。」
「それじゃああとやっておきます。」
はっきり言って、型落ちモデルで展示処分品でこの値段は高いと思うのだが、それを判断するのはお客さんですし、判断した結果、買われたのですから
問題はないんでしょう。たぶん。
ひどいと思うかもしれませんが、ここのやり方に合わせただけですし、私のスキル不足のためあまり話はうまくいっていません。すごいやつはもっとすごいで
す。色々な意味で。