投稿者: 2000/10/11 (水) 17:10:14 ▼ ◇ [mirai]--------------------------------------------------------------------------------
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水門を越え、川の上流までやってきた。
道らしい道もなくなり、ふたりは河原の石の上を飛び移って進んだ。
「コケんなよ、血が出るぞ」
「おう」
ときどき危なっかしい耕一を振り返りながら、梓が言った。
梓の身軽さに、耕一は一生懸命ついていった。
運動神経は耕一だってさほど悪くない。
要は慣れと度胸だ……度胸だ。
「水門より上は危ないからって、楓と初音は連れてこないんだ」
「ふーん」
楓と初音は例の女の子たちの名前だ。
ふたりともまだ小学校の低学年だ、たしかにここは危なすぎる。
「ところで、コーイチ。お前、何年?」
「五年。お前は?」
「三年」
「なんだ、二年も下じゃないか」
聞いた途端、耕一の声がおっきくなった。
いままで対等だった関係が、わずかに優位になった気がした。
「気をつけろ、梓。ケガすんなよ」
「はあ? しねーよ」
とたんに兄貴風を吹かし始める耕一だった。