投稿者:   2000/10/13 (金) 06:19:13      [mirai]
1 小問1について

 1 本問で、王様は後訴において、クソアマに法廷単純承認事由(民法921条一合本文・3号本文)が
あったと主張して、前訴において、前訴で認められた限定承認(民法922条)の存在を争お
うとしている。
 では、王様のかかる主張は認められるか。前訴において限定承認の存在に後訴裁判所を拘束
する効力が生じていれば、前訴基準事以前に存在していたYによる相続財産の隠匿とい
う事実をもって限定承認の存在を後訴で争うことはできなくなる(遮断効)。
 そこで、相続債権者が被相続人に対して有していた金銭債権の支払いを相続人に求め
相続人が限定承認の存在を主張した場合において、限定承認の存在に後訴裁判所を拘束
る効力が生じるか、問題となる。

 2 この点、前訴判決の訴訟物は直接的には1000万円の債権の存在であり限定承認の存
在はこれに含まれない。とすると、限定承認の存在については主文の判断ではないので既
判力が生ぜず(114条一項)、後訴でその存在を争うことも許されるとも思える。
 しかし、限定承認の存在は、訴求債権の存在を心理する際に主張された場合には主張な
争点となるものであるから、かかる点に既判力に準じた拘束力を認めることができないか
、更に問題となる。