投稿者:   2000/10/15 (日) 06:43:54      [mirai]
心臓ペースメーカー 携帯電話で誤作動
通話中の直角接触で電気刺激消失

心臓ペースメーカーを装着した人に通話中の携帯電話を近づけると、
条件によってはペースメーカーに電磁波が原因とみられる誤作動が起
きることを、埼玉医科大第二内科の松本万夫講師らのグループが患
者を使ったテストで14日までに実証した。急速な普及が続く携帯電話
だが、満員電車の中では電源を切るなどの配慮が利用者には求めら
れそうだ。

グループは、不整脈などでペースメーカーを体内に植え込んだ患者
百二人の同意を得て、デジタル型とアナログ型の国産携帯電話二機
種を使って影響を調べた。
患者の胸の皮膚に電話をさまざまな角度で接触させ、「電源オン」
電源オフ」「呼び出し中」「通話中」の四つのケースについて異常の有
無をチェックした。
百二人中二人で、通話状態のデジタル型を直角に接触させた場合
に、ペースメーカーの電気刺激が消失する異常を認めた。
電話を六センチ以上体から離すと異常は解消したが、この間の心臓
の電位には電磁場によると思われるノイズが表れた。

アナログ型や通話中以外のケースでは異常はなかった。

ペースメーカーが、携帯電話からのノイズで、誤作動した可能性が強
いという。

松本講師は「電気刺激の消失が長く続けば命にかかわる。いくつも
の条件が重ならないと異常は起きないので、いたずらに恐れる必要は
ないが、体が触れ合うような場所では携帯電話を使うべきではない」と
注意を呼び掛けている。

「日本心臓ペースメーカー友の会」によると、国内のペースメーカー使
用者は約二十万人。  同会では、「可能性としては指摘されていた
が、実際の臨床例で影響があったという国内の報告を聞くのは、初め
てだ」と話している。 

1996年