夕飯のテーブルには、梓と耕一が釣ったヤマメの塩焼きがならんだ。 それは、耕一がいままで食べたどんな魚よりもおいしいものだった。 その夜、耕一は都会でひとり留守番している母親に電話した。 そして、今日体験した出来事を思い出し、ふたたび興奮しながら、熱く語って聞かせたのだった。