投稿者: 2000/10/23 (月) 01:36:08 ▼ ◇ [mirai]・・・・・・
もうだめだ!
もう我慢できねえ!!
所詮男はけだものだ!!!
けだものの前に餌をちらつかせる彼女が悪いんだ!!!!
俺は男として当然のことを・・・
「はい、もういいですよ。」
その言葉が俺を現実へ呼び戻した。
「じゃあ荷物を運びましょうか。」
「え?あ、ああ、そうだな。」
ダンボール箱を持って佐祐理さんの後に続く。
「でも舞の荷物って少ないですね~。」
「・・・うん。」
「これが終わったらご飯にしましょうね。お弁当持ってきたんですよ。」
「・・・ああ。」
佐祐理さんの言葉に上の空で答える。
・・・ったく、何を考えていたんだ俺は。
深呼吸して心を落ち着ける。
こういう邪な考えは持ち込まないはずだったのに。
でも一緒に住むとなるとこういう事が毎日起こるんだろうか。
これからも自制できるかな。
・・・ま、大丈夫だろ。
もっと自分を信じよう(ついさっきキレそうになったばかりだが・・・)。
ガチャッ
佐祐理さんが先に中に入る。
俺も続こうとしたがふと足をとめ、表札を見る。
これを見ると一緒に暮らすんだなって実感が湧くよな。
「・・・・・・」
「どうしたんですか~。裕一さん。」
「ん、いや、なんでもないよ。」
俺も靴を脱いで家の中へ足を踏み入れた。
キィー・・・バタンッ
昨日まで空き家だった赤い屋根の家。
その家の表札には3つの名前が書いてある。
それらの名前は3つとも異なる姓であり、
しかも男が1人、女が2人という組み合わせである。
これを見てこの3人の関係を推測するのは難しい。
『倉田佐祐理』
『川澄舞』
『相沢裕一』
この3人がこの家の新しい住人らしい