投稿者: 2000/10/23 (月) 02:05:51 ▼ ◇ [mirai]時計を見るとすでに11時5分。
舞も佐祐理さんももう眠っているはずだ。
だけど俺は寝付けずにいた。
眠れない理由はいくつかある。
まず一つ目は時間の問題だ。
引っ越しで疲れているとはいえ俺が床に就くには早すぎる時間だ。
二つ目は朝に居眠りしたということ。
異なる時間帯に睡眠をとると夜に眠れなくなるものだ。
三つ目は環境。
知らない部屋なのでなかなか寝付けないのかもしれない。
だが最大の原因は・・・
「・・・・・・パジャマ姿もよかったよな~」
・・・煩悩である。
倉田さんちの裕一君 第二話 ~眠れない理由は・・・~
煩悩で眠れないというと軽蔑されるかもしれない。
だが今日は舞と佐祐理さんの様々な姿を見た。
私服姿。
ピンクの子豚のエプロンを着けた佐祐理さん。
リボンをはずした舞。
風呂上がりの上気した顔。
そしてパジャマ。
中でも良かったのは佐祐理さんのエプロン姿だった。
今から考えればエプロンが子豚柄だったのは、
『ケダモノさん、今夜佐祐理を食べてくださいね~』
というメッセージだったのではないだろうか。(絶対に違うっ!!)
このように今まで見たことのなかった彼女たちの一面は、
どれも俺の妄想を掻き立てるには十分すぎるものだった。
何度となく自分で処理しようと思ったが(爆)、
なんとか理性でそれを押さえてきた。
・・・うぅ、だめだ。
このままじっとしていてもろくなことを考えないな。
冷たいものでも飲んで頭を冷やすか。
一階に降りると明かりを点けずにキッチンに入る。
冷蔵庫を開けるが今日引っ越してきたばかりなので飲み物はない。
あきらめてリビングへ行き、ふと窓を見るとカーテンに人の影が映っていた。
・・・誰だ。
カーテンを開けると、
「・・・舞?」
そこにはパジャマを着た舞の後ろ姿があった。